人も生きものだ・通信    お問い合わせ

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第48号「問題は山積、次世代に残していいのだろうか?」  NEW!
       
                                  2016. 4. 22  
 今年3月、滋賀県大津地裁は、福井県高浜原発について、再稼働差し止めの仮処分判決を出しました。
 その後の4月、福岡高裁は、鹿児島県川内原発の運転差し止めを認めないとの判断を示しました。
 今回の熊本、大分両県を中心とした大地震を見ると、私たちはいかに危うい大地に立っているのか、将来にわ
たって安全だ、なんて保証はどこにも無いことを知らされた気がします。 
 福島第一原発も、溶け落ちた炉心がどうなっているのか、それを知るためのロボットをどうするかも確定せず、
いまだ廃炉へのスタート台にさえ立てていません。汚染水すら、凍土壁を作れば解決するようなことではないの
です。こうした難題をかかえながらの再稼働に、大きな疑問がわきます。いろいろな課題を積み残したままです。
 すでに破たんしている核燃サイクルを終焉させ、原発に頼らない時代に向けて、具体的な政策を検討していく
ことこそ今必要なのではないでしょうか。そのための道筋を私たちの世代が作っていかなければいけないのでは
ないでしょうか。 「核」は人間がコントロールできるものではない、と考えます。
 
 

 
 
第47号「セシウムはどこへ」    NEW!
       
                                  2016. 4. 22  
 福島第一原発事故から5年がたちました。歴史に残る大事故も、忘れることは無いにせよ、月日とともに日常
の中で記憶は薄らいでいきます。しかし庭の片隅を測れば、今でも確かにセシウムは「居る」のです。高いスポ
ットのような場所では、今も1.121マイクロSv/h(地上5cmでの測定)を示しています。(千葉県印西市)
 セシウムは私たちの身近な場所に居て、何かにくっついて移動したり、小さなスポットにとどまっています。民間
の測定所の中には閉鎖されたところもあり、食品の測定は自治体の持ち込み検査などを頼るしかありませんが、
きちんとデータをとり、監視していく活動を、これからも粘り強く続ける必要があります。

 当会は、チェルノブイリ事故をきっかけに、91年以降、食品中のセシウム測定を続け、それを引き継ぎながら活
動してきました。市民の立場で、子どもたちのために誰かがやらなければいけない、その気持ちが活動を支えて
きました。その気持ちをこれからも持ち続けたい、と考えています。


 



第46号「放射能? 高齢だし、ま、いいかって言ってていいのかな?」   
                                       2015. 10. 25  
 放射能の問題について、世代間で意識に差があるかどうかはわかりませんが、例えば福島で始まっている帰還
について見ると、若い層に帰還をためらう気持ちが多いようです。実は、放射線内部被ばくにより、老化は促進さ
れる、という研究があります。
 放射線が発ガンの原因になることは知られていますが、ガン以外の病気については、因果関係の立証は難しい
とされる向きがあります。いかし、老化のメカニズムを知ることで、放射線の細胞への影響が具体的に解明される
ようになりました。放射線は、染色体の末端にあるテロメアを短縮し、DNAを傷つけ、細胞の老化を進めます。こ
のことが非ガン性の疾患を起こすメカニズムとつながる、と考えられています。


「遺伝子組み換え作物を考える」

 TPP交渉の報道ではあまり取り上げられていませんが、生産物の表示や安全基準などのルールをどうするか、
は消費者にとっては大きな問題です。各国間にある差について、今のところ「現行制度の変更はない」としていま
すが(10月23日朝日新聞)、今後どうなるか、はわかりません。
 遺伝子組み換え食品については表示を義務づけている日本ですが、事実上は抜け道もあり、口にするのを絶
対に防ぐことは難しい状況です。それでも食の安全を考える立場から、これからもこの問題に注視していかなけ
ればならない、と考えます。




第45号「柏市産粉末しいたけから73ベクレルのセシウムを検出」  
       
                                  2015. 7. 20  

 5月19日(火)、柏市内で粉末しいたけを買った当会会員が、居住地である印西市で、持ち込み測定として検査
をしたところ、国の基準値を超える108ベクレル/kgのセシウムを検出しました。
印西市から連絡を受けた柏市は、生活衛生課(柏市保健所)が、同じロットの商品を精密検査(ゲルマニウム半
導体検査器による)にかけ、その結果、73ベクレル/kgという結果を得ました。
 結果的には基準値以下であったわけですが、同じ千葉県内ですでに基準値を大きく超える粉末しいたけが売ら
れていたことは報道されており、そのことを柏市農政課は把握しておらず、生産・販売業者も事前の検査をしてい
ませんでした。この件は、今後の課題をいろいろ示すこととなりました。
 現在も、食品の放射能測定は必要です。市場流通食品はすべて検査済みで安全だ、などというのはありえない
ことだと、あらためて、市民持込み測定の重要性を認識する必要があります。
                                参考→最近の活動のページ

 鹿児島県川内原発(九州電力)は、8月中にも再稼働となります。
 4月に出された福井地裁の判決は、国の「規制基準」そのものが緩すぎ、合理性がない、と指摘し、高浜原発の
運転を禁じました。川内原発が、安全対策が不十分なまま再稼働を急ぐのは、論外と言わざるを得ません。

 また、福島第一原発1〜3号機の廃炉工程は、事実上何も始まっていません。肝心の融け落ちた核燃料が、今
もどうなっているかわかっていないのです。最大の難関は、「デブリ」と呼ばれる核燃料と構造物との混合物です。
作業中に「再臨界」の可能性もある、と指摘されています。廃炉への道はまだ出発点にも立っていません。

 福島県楢葉町では、帰還が9月に始まろうとしています。
 しかし帰還できるのは、年間20mSv以下の地域とされており、これで安心して住めるのか、疑問をもつ人もい
ます。いろいろな事情から、「帰る」ことを選択した世帯は、45%にとどまっています。(昨年復興庁調査)


 食の安全も、生活環境も、もう大丈夫、と言えるのはいつでしょうか。以上の内容を掲載しています。





第44号「電気を得るのは人々の生活を豊かにするため。
       その生活をおびやかすような方法で電気を得る必要はない。」 (中学2年生) 

                                  2015. 1. 29  

 会員Fさんの孫、中学2年生のR君が、学校の社会科の学習で書いたレポートを、全文紹介しています。
 子どもの目で見た原発再稼働のの問題。大人はどのように受け止め、何をすべきでしょうか。

 鹿児島県川内原発(九州電力)は、規制委員会による審査をクリアし、昨年中にも再稼働かと報道されました
が、今も再稼働に至っていません。この他に再稼働をめざして申請中なのが、全国に8電力10原発17基ありま
す。福島第一原発の汚染水すら制御できないなかで、次々と「原発をベースに」という流れができつつあります。
 こうした各原発の現状とともに、 @運転40年を経過している原発を、延長しようとしている A建設中の原発
も申請を出す方向へ Bその新原発は「フルMOX」という類をみない危険なもの という問題点が多いことを指摘
しています。

 また、電磁波測定(柏駅西口、柏市内小中2校で実施)の結果も掲載しています。



第43号「福島は終わっていない 終わらせてはいけない」    
                                 2014. 9. 2

 7月16日、原子力規制委員会は鹿児島県の川内原発について、基準をクリアしたと審査を決定、これをもって
日本の原発は、事実上、再稼働へ動き始めました。
 福島第一原発事故の処理がまったく進んでいないだけでなく、事故で生じた大量の廃棄物の処分も決まってい
ない、事故の責任を誰もとっていないという状況にもかかわらず、です。
 福島は今、どうなっているのか、解決しない大量の汚染水、避難指示解除準備区域の問題等々、終焉に向か
わせたい国の意向にもかかわらず、困難が山積しています。
 また柏など東葛地域も、いまだに出荷制限を受ける農水産物があり、8000Bq/kgを超える焼却灰をかかえ、
苦悩が続いています。
 福島は今も終わらせてはならない状況にあります。こうした現状をまとめました。



第42号「市場の食品は本当に安全だと言えるの?」    
                                 2013. 12 .25                                                                       

  柏市消費生活センターは、2013年10月以降、一般市場流通食品の測定について、市民
からの持ち込み測定を受け付けていません。市場の食品は、国の基準値以下のものとされて
いるため、測る必要は無い、というのが理由です。 
 しかし柏市には消費者庁から貸与された測定器があり、毎日の食事について、本当に安心で
きるのか、市民が確認する方法が今まであったのですから、この説明は納得しかねます。
 市場にはすでに基準値を超えた食品がいくつか見つかっています。
 柏市における食品の測定についての現況をまとめ、市民の持ち込み測定がなぜ必要か、を伝
える内容です。





第41号「泥沼はどこだ  言葉を疑い、言葉でたたかう」    
                          アーサー・ビナード氏講演記録
                                     2013. 8.20

  8月8日にひらかれたDVD学習会の報告です。詩人アーサー・ビナード氏の感性豊かな
言葉は、例えばプルトニウムを製造する高速増殖炉に文殊菩薩の名前をつける感覚に、鋭く
斬り込みます。マンハッタン計画から、戦後世界戦略をどう読み解くか、歴史、文化に至る極
めて興味深いお話を聞くことができました。




第40号「柏市民活動フェスタ2013参加企画ー柏市での食品測定検査の状況に
ついて」
                                     2013 .5.30

  5月12日(日)に柏市民活動フェスタが開かれました。私たちは参加企画として、市民持ち
込み食品の測定を担当している柏市消費生活センター職員お二人から直接、測定の現況につ
いて話していただきました。
 あわせて、昨年8月に東葛周辺7市の放射能対策(食品、除染について)一覧表にし発表しま
したが、その後の各市の状況を追加調査し、結果を報告しました。





 第39号「茶葉が教えてくれる セシウムは簡単には消えない」 2013. 4.17
                                         

  2月25日、当会の前身である「柏市放射能測定器運営協議会」(1991〜2004)から引き継
いだ86年産茶葉の測定を行いました。チェルノブイリ事故から27年たちますが、今もセシウム
137は茶葉の中から無くなることはありませんでした。その報告です。
                                   参照 →  

 


第38号「講演会 食品の放射能測定の現場から見えること」 2013. 2.25

  私たちは、放射能汚染の無い食品だけを食べることはできなくなりました。限りなく安全を
求める消費者と、逃げるわけにいかない環境の中で苦悩する生産者との間にあって、支えあ
う関係をどう作っていくか、生活協同組合の品質管理担当者である講師槌田博氏から、大切
なことを学んだ講演会の報告です。



第37号「この地で生きていく、ということ」  2012.12.1

  流山市の「自然農園レインボーファミリー」は、自然循環型農業に取り組んできましたが、昨
 年の福島第一原発事故により、大きな打撃を受けました。土壌や生産物の汚染への不安だけ
 ではなく 長年支えてきてくれた人たちが離れていったことです。
  食にこだわる人たちは、「安全」に厳しい人たちでもあります。農業を続けていけるだろうか、
 と一時は苦悩しましたが、やはりこの地でやっていこう、と、今は自分のやり方に確信を持って
 取り組んでいます。経営する笠原純子さんと交流した報告です。→
  今号では、10月4日に柏市の民間測定所ベクミルで行なった内部学習会についても報告し
 ています。 農作物への汚染のメカニズム、数値のとらえ方などを学習し、イネの測定を実施
 しました。→
  


第36号「講演会 電磁波から子どもを守る part3
     ケータイやスマートフォンって大丈夫なの?」  2012. 9.28

  広い意味で放射線も電磁波の仲間です。周波数やエネルギーが異なります。一般に電磁波
  と言うのは超低周波〜高周波をさし、日常生活の中にあふれています。最近の携帯電話を
  始めとする通信機器から発する電磁波は、どのように人体に影響を及ぼすのか。WHOのガ
  ン研究機関IARCは、咋年、あらゆる高周波電磁波を、「発ガンの可能性あり」としました。
  これは重要なことであり、とくに成長期にある子どもたちの、携帯電話との関わり方を、今こ
  そ考えなければいけないのではないでしょうか。
  今号では、講演会の報告とともに、文部科学省9月公表のストロンチウム分布地図を掲載し
  ています。

           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      日本弁護士連合会では、9月13日に電磁波問題について、国へ
      意見書を 提出しています。 あわせて参考にしてください
。→



第35号「市民持ち込み食品の測定 始まりました」 2012. 7.20

  東葛地域周辺の自治体では、内部被曝低減の取り組みに、ようやく着手したところです。
  課題であった「市民持ち込み食品の放射能測定」も、各市で始まりました。まだ検体の情報
  公開が充分ではないものの、毎日の食卓にあがる食品が測れるようになった意義は大きい
  と考えます。 除染については長い目で取り組まなければなりませんが、民有地の測定や
  除染に取り組む市も出てきました。「通信」では各市の最新の対策を調べ、報告しています。



第34号「山田真さん講演会 福島は安心だとされているが私たちは全てを知らされ
     ていない」 2012. 3. 31

  福島原発事故から1年たった2012年3月11日に講演会を開催。福島に足を運び健康相談会
  を開いてこられた山田真さんのお話は、祈りの日にふさわしいものになりました。
  本音が言えない・・・・福島の人たちの苦しみが伝わります。


第33号「大人は放射線量を下げるための努力を」 2012. 1.15

  東葛地域は依然として放射能汚染による影響が懸念される状態が続いています。
  内部被曝を下げるため、精度の高い食品測定、健康調査等を求めて会が柏市議会へ提
  出した請願は、全会一致で採択されました。その報告です。


第32号「放射線被曝から子どもを守るために」 2011.10. 5

  上田昌文氏の講演会報告。 「放射能汚染による被害は子どもに大きく出る」  これが全て
  の出発点です。柏市の場合、事故から半年で累積1mSvを超えてしまいました。(24時間外
  に居るとして) 対策が遅れる国や自治体。どうすれば少しでも被ばく線量を下げられるか、
  指針を提案しておられます。


第31号「食品安全委員会答申の『生涯被ばく線量100mSvを目安』は問題です」
     2011. 8. 1

  2011年7月に厚生労働省・食品安全委員会が答申した「生涯被ばく線量」についての目安
  に疑問があります。日本が唯一の根拠としているのが、ICRPの勧告です。しかし、ICRPに
  ついては、内部被曝のとらえ方などに問題がある、とする見方も多いのです。
  また、東葛地域の状況、とくに焼却灰から高濃度セシウムが検出されたことなども資料とし
  て掲載しています。


第30号「柏市議会請願の報告 環境測定は採択されたが測定器購入は継続に」
     2011. 6.29

  柏市6月議会に提出した請願の結果、報告です。なかなか進まない自治体の放射能対策。
  会では、食品と環境の測定を積極的に進めるよう、柏市に請願を提出。環境については地上
  5cmでの測定が決まりましたが、食品測定器購入については継続審議となりました。
  また千葉県にも、食品測定体制確立を求めて、要望書を提出しました。


第29号「東葛地域は放射能災害の被災地です」 2011. 5.25

  福島原発事故発生以来公表されている千葉県の線量データは実態に合っていません。
  市原市の測定値だけが公表されていますが、柏市内にある東大キャンパスでの測定値は、
  市原より一桁高い数値になっています。3月21〜22日にかけて柏市で降った雨水からは、セ
  シウム合計580Bq/g検出されました。現実をとらえた対策が必要です。


第28号「体に影響の無い被ばくは無い」 2011. 4. 5

  外部被曝、内部被曝、放射線のリスクについて考えます。
  福島原発事故の概要が伝わるにつれ、燃料棒そのもが溶融し、しかも複数の原発によると
  いう、歴史上かつてない大事故であることがわかりました。チェルノブイリの経験をあらため
  てとらえ直します。


第27号「ただちに健康に影響はない、というけれど 福島原発事故をうけて低線量の
     健康被害を考える」 2011. 3.24

  低線量被曝の健康被害について考えます。 低線量でもゆっくりと影響をうける晩発(ばんぱ
  つ)障害は、瞬時に激しい高線量を浴びる急性障害とはちがう影響を、体内に与えます。


「食の安全と環境を考える会からの緊急メッセージ」
              3.11福島原発事故をうけて 2011. 3.16

  事故発生から5日後に発信したメッセージです。まだマスコミの情報では何が起こっている
  か全貌が伝えられず対策も後手にまわる中、最悪のシナリオが少しずつ見えてきました。
  この時点ですでに、会所有のR-DAN(ガンマ線測定器)が異常を伝え、福島並みの汚染を
  予告していました。とりあえずの自衛策は何か、を訴えています。


第26号「講演会 電磁波から子どもを守ろう! Part2 柏市内17校を測りました」
     2011. 3.24

  柏市内全小・中学校の教育現場で電磁波を測定した報告を受けて、上田昌文氏に講演して
  いただきました。電磁波の子どもへの影響は、WHOプロジェクトチームの報告でも、「小児白
  血病」への対策は必要だ、と認めています。講演会では、まず環境中の電磁波を測ることが
  大切だ、対策はそこから始まる、と訴えています。
 


第25号「輸入ブルーベリーからセシウムが出るわけは?」 2011. 1.10

  私たちが1991年から測定してきた放射性セシウム。今も輸入品から検出されることがありま
  す。チェルノブイリは過去の話ではありません。産地から考えて、1986年の原発事故による
  ものではないか、と考えられるのです。測定結果では、セシウム134(半減期2年)は不検
  出、セシウム137(半減期30年)は検出されています。
                                              


第24号「“もんじゅって何? 〜原発の今後〜」 2010.10.18

  高速増殖炉もんじゅについて学習しました。講演会の報告です。原子炉の使用済み核燃料
  を再処理してプルトニウムをとりだそうとする国の核燃サイクル政策は、事実上破たんしてい
  ます。
  常磐道をトラック輸送されているプルトニウムについても追走報告しています。
  .写真は、2008年に会員が、茨城県内を輸送中のトラックを撮影したものです。                   


第23号「柏市内17小中学校で電磁波を測定しました」 2010. 8.15

  電磁波による子どもへの影響が心配されます。柏市内全小・中学校の教育現場で測定した
  報告です。2009年に柏市議会へ提出した教育現場での電磁波低減策が採択されたことを
  受けて、市教育委員会とともに、教室に入って、電磁波を測定しました。学校によっては 大
  変高い数値の環境下にあることがわかりました。

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